【歯科医監修】なぜ親知らずは若いうちに抜くべきなのか?
2025.07.07
こんにちは。多田歯科医院、院長の多田 利哉です。
本日は「なぜ親知らずは若いうちに抜くべきなのか?」についてお話しします。
親知らずの抜歯は普通の歯と比べて難度が高い抜歯です。
中高年になってから、極端な話をすれば、70代や80代でも抜歯することはできますが、できることなら若いうちに抜歯しておく方が良いです。
今回は、若いうちに抜歯した方がいい理由についてご紹介します。
この記事を最後までお読みいただけると、親知らずを抜歯するならどうして早い方がいいのかがお分かりいただけると思います。
抜きやすい
まず挙げられる理由が”抜きやすい”という利点です。
骨がより柔軟
骨の柔軟性は年齢とともに減少していきます。
例えば、赤ちゃんは滅多なことでは骨折しませんが、ご高齢の方は転んだり打ったりしただけで骨折することがあります。
これは、骨の柔軟性の違いです。
歯を抜くときは、骨のしなり、柔軟性を利用します。
親知らずも同じで、若い方の方が骨の柔軟性が高いので、抜きやすいのです。
癒着が起こっていない
歯根の周囲は歯根膜という靭帯のような組織で覆われ、これが骨と結びついています。
歯の根と骨は直接くっついているわけではありません。
ところが、この歯根膜が失われ、骨と歯根が直接くっついていることがあります。
この状態を骨性癒着といいます。
骨性癒着を起こした歯は、抜歯しようとしても歯の周囲に余裕がないのでなかなか抜けません。
抜歯するためには周囲の骨を削って隙間を作らなくてはなりません。
骨性癒着は年齢と共に増えていきます。
若い方には少ないので、骨性癒着を起こす前に抜歯するという意味からも、若いときの抜歯には利点があります。
虫歯になっている可能性が低い
親知らずを抜歯するとき、歯冠を鉗子というペンチのような器具で掴んだり、エレベーター(ヘーベルともいう)という器具を歯と骨の隙間に差し込んだりします。
このとき、親知らずが虫歯になっていると、鉗子でつかめませんし、エレベーターを差し込むと虫歯になっているところから歯がボロボロと崩れていき、なかなか抜けません。
歯が虫歯になるのには時間がかかります。
親知らずは、最も最後に生えてくる歯です。
他の歯と異なり、大人になってから生えてくるので虫歯になるのもそれからです。
若いときの方が虫歯になっている確率が低く、虫歯になることによる抜歯の困難化が起こりにくいです。
治りがよい
若いときの方が治りがよいというのも理由のひとつです。
回復力が高い
歯を抜くと、血液が固まった後、1週間ほどで弱い歯肉で覆われ、そこが3週間くらいでしっかりとした歯肉に変わります。
そして、骨のベースとなる仮骨ができ、6~12カ月で骨で塞がれます。
このような流れで抜歯したところが治っていきます。
若い方の方が回復力が高いので、こうした治りも早いです。
回復力が少しでも高いときにという意味からも、若いときに抜歯する方がよいです。
腫れや痛みが少ない
例えば、骨性癒着を起こしたり、大きな虫歯になったりした親知らずを抜歯する場合、そうでない親知らずを抜歯するときより大きく切開しなければならなくなります。
骨を削る場合の削る量も増えます。
すると、抜歯後の痛みや腫れも大きくなりますから、骨性癒着や大きな虫歯を起こさないうち、言い換えれば若いうちに抜歯しておいた方が良いというわけです。
他の歯への影響が少ない
親知らずの多くは生え方がよくないです。
親知らずがきれいに生えていないと、手前の第二大臼歯とよばれる奥歯との位置関係や並び方も悪くなります。
状態によっては、食べ物が挟まりやすくなることもあります。
虫歯のリスクを減らせる
食べ物が挟まった状態やプラークがついた状態が続くと虫歯になりやすくなります。
親知らずに虫歯ができても親知らずなら抜歯すればそれまでですが、親知らずの前の第二大臼歯に虫歯ができるかもしれません。
歯周病のリスクを減らせる
虫歯だけではありません。歯周病のリスクもあります。
多いのが、横向きになった親知らずの歯冠の下の骨が吸収されて減り、その範囲が第二大臼歯にまで広がる例です。第二大臼歯の周囲の骨が失われれば、親知らずだけでなく第二大臼歯も抜歯しなければならなくなることもあります。
若いうちに親知らずを抜歯しておけば、虫歯や歯周病など周囲の歯への影響も最小限でとどめられます。
持病がないから
若いときは特に健康上の問題はなくても、年齢を重ねるうちに、さまざまな病気をするようになります。
例えば高血圧です。
高血圧は、血管が硬くなる動脈硬化が原因で起こりますが、動脈硬化自体は幼少期から始まっています。
というわけで、若い頃には高血圧ではなくても、誰でも中高年以降に高血圧症になる可能性はあります。
その他にも、年を取ると、糖尿病、心臓病、脳梗塞、がんなどさまざまな病気をお持ちの方が増えます。
病気の種類や治療法によっては、“出血しやすくなる” “治りが悪くなる”など、親知らずの抜歯に影響することもあります。
若いうちの方が持病も少なく抜歯に伴う全身的なリスクも低いので、親知らずを抜歯するなら若いときの方がいいといえます。
まとめ
今回は、親知らずを抜くなら、若いときの方が良い理由についてお話ししました。
親知らずの抜歯は、他の歯の抜歯と比べて、侵襲性(体が受ける傷)が大きな抜歯になります。
“親知らず自体が抜きやすい” “治りが早い” “他の歯への影響が少ない” “持病がない”などの理由から、抜歯するなら若いときの方がおすすめです。
親知らずの抜歯は、他の歯の抜歯と比べて難度が高い、合併症の可能性があるなどの理由から、専門的な知識に裏付けられた的確な処置が求められます。
当院は、親知らずの専門知識や周囲の解剖学的知識、そして長年にわたる経験の豊富な歯科医院です。
親知らずのことでお悩みの方、相談のある方は、当院にぜひお越しください。
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